グッタペルカの剥がし方
(革が貼ってあるカメラでなく、表面が固めてあるもの)

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1. このサンプルはFED-2です。その他のカメラでも同じです。絶対に革が貼ってあるカメラにこの方法を試さないでください。 2. セロテープなどで、グッタペルカ(ヴォルカナイト)以外の部分を保護します。
3. グッタペルカ部分に1,2mmカバーするように貼ると元の塗装を傷つけずに剥がすことができます。
 
4. 市販の塗装剥がし液を用意してください。一番簡単に手に入りやすいと思われるのはホルツのペイントリムーバーです。オートバックスなどのカー用品店で手に入ります(上の缶で1000円ぐらい)。
 塗装剥がし液の成分によっては、全く剥がれないものもありますので、ご注意ください。
5. リムーバーをグッタペルカの上に注ぎます。筆で塗っていっても良いのですが、一般的にリムーバーはゼラチン質ですので直接缶から注いだ方が手っ取り早いです。。
6. 筆でリムーバーを延ばして全体に広げます。
7. このまま10分から15分待ちます。 8. しばらくするとグッタペルカが柔らかくなりますので、彫刻刀などで削っていきます。
9. いきなり深く差し込むのではなく、グッタペルカの表面(リムーバーで溶けて柔らかくなっている部分)を削るぐらいの感覚で削っていけばよいです。
 無理をして深くまで削ろうとすると、ボディに傷を付けることがありますので、あくまで柔らかくなっている部分だけを削ることを心がけてください。

 カメラによってグッタペルカも材質が違って、ライカのものは非常に剥がしやすいので、一度で全て剥がれる事が多く、またロシア製は一般的にとても固いので、三度ぐらい繰り返す必要があります。
10. この状態でグッタペルカの表面が削られた状態です。 11. 再度リムーバーをグッタペルカ部分に注ぎます。
12. 全体的に筆で延ばします。 13. 10分から15分置いた後、再度削ります。必要な場合は、もう一度繰り返してください。
14. 全てのグッタペルカをそぎ落とした状態になりましたら、表面をアルカリ質の液体で綺麗に拭き取ります。リムーバーは一般的に酸を含み、そのまま放置するとボディが経年的に腐食しますので、アルカリ性の液体で中和させるのが一番良い方法です。

 身近なアルカリ性の液体は白黒フィルム現像液やオーブンレンジクリーナーなどです。

 アルカリ性の液体が手に入らない場合、アルコールなどで表面を綺麗に拭き取ってください。
15. すっかりはぎ取って表面を綺麗にした状態です。この状態で新しい革を貼ってください。

 ペイントリムーバーを使うのは、割と危険な方法(後々に残存した酸でボディがじわじわと腐食てくる可能性がある)ですので、必ず徹底的にリムーバーを拭き取ってください。

 その他の安全な方法としては、ボディシェルだけ取り外して熱湯で煮るとか、ボディシェルのみをオーブンで焼くなどで、グッタペルカを柔らかくして削り取るという方法もありますが、カメラをばらして再度組み立てる技術が必要になります。

 またご注意いただきたいのは、ペイントリムーバーは塗装を剥がすのが本来の目的ですので、塗装部分にリムーバーがつくと、その塗装部分が当然剥がれます。必要な部分以外にリムーバーをつけない事をご留意ください。
 
 以上の行為は、ご自身の判断と責任でお願いいたします。