■日本国内のほぼ全てのカメラメーカーが採用しているヘリコイドグリスです■



白色バター状のグリスで、レンズを色々とご覧になっている方は、この色のグリスをどこかで見たことがあると思います。それと同じ製品です(違うメーカーの類似製品ではありません)。

クラッシックカメラは、ノーメンテナンス状態ですと製作当時の品質であるグリスがコテコテに凝り固まっている場合が多く、それを清掃して低粘度グリスやオイルを塗布すると、ヘリコイドを回したときにスカスカになる事が多々あります。比較的高粘度のグリスでしたら、そのような状態のカメラでも腰のあるヘリコイド回転を保ちながら潤滑ができます。

性状をご覧いただければおわかりいただけると思いますが、温度差に強く揮発が殆どありませんので、揮発時に発生するガスによってレンズを痛めたり、高温でタレたりすることがありません。

使い方は、アイシャドーのチップ(棒の先にスポンジがついているもの)につけてヘリコイドの条ネジ部分に薄く塗るのが一番簡単に綺麗にぬれます。(この方法は某カメラメーカーの人に教えてもらいました)。

またヘリコイドだけではなく、低速回転で高負荷がかかる巻き上げなどのギア部分にもお使い頂けます。しかし高速回転のところ、例えばフォーカルプレーンシャッターの回転スプリングの所などには理想的ではありません。

蛇足ですが、誤解している方が案外多いので説明をさせて頂きますと、ラウナは高級オイルですが、高速回転部分向けのオイルで、低速回転高トルク向けのオイルではありません。万能のオイルやグリスはありませんので、使う場所によってオイルやグリスを選んで下さい。

 
 
■以下は製品カタログからの抜粋です■

 
基油にパーフルオロボリエーテルの合成油を使用し、フッ素樹脂で増ちょうしたグリースで、温度特性・極圧性・対薬品性に大変すぐれたグリースです。
 
有機溶剤・油脂類とは殆ど相溶しませんから、ゴム・プラスチックに全く影響を与えず電気絶縁性にすぐれた効果を発揮する卓越したグリースです。
 
<特徴>
 
・特に低温製にすぐれ、温度による硬さの変化が非常に少ない。
・酸化安定性にすぐれています。
・極圧性にすぐれています。
・ゴム・プラスチック製品に影響を与えません。
・電気絶縁性に優れています。
・高フッ化有機溶剤・フッ素化油とは相溶しますが、それ以外の有機溶剤・油脂類とは殆ど相溶しません。
・低トルクでニジミも非常に少ない。
 
<代表性状>
 
試験項目 試験条件  
密度 25℃ 1.97
不混和ちょう度 25℃ 280
離油度 mass % 100℃・24時間 3.0
蒸発量 mass % 99℃・22時間 0.0
四球焼付荷重 MPa 室温・200rpm 1.0
酸化安定度 MPa 99℃・100時間 0.0
見かけトルク g 25℃・4分後 150
低温トルク N-cm(-40℃) 起動トルク 7.3
回転トルク 2.3